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2020年11月23日

【素敵な読み物】ミツエ婆さんと俺 異譚

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これはちょっと昔の話。
今よりちょっと昔の話。

一騎当千.jpg

近所のE店に行った時のこと。
店の中からミツエ婆さんが飛び出してきた。

ミツエ婆さんはこの店の常連客で、俺の知り合い、

というわけではない。

千円札を湯水の如くサンドに次から次に突っ込んでいく
見ているコチラが
(おい!婆さん、そんな台にそんな突っ込んでも回収できないだろ)
と心配になるような無茶な打ち方をしてる婆さんだ。


話もしたことはない。
その様子をたまたま目にして、
なんなんだ、このババアは?
と思った事があるという程度なものだ。


じゃあ、なぜ名前を知ってるのかって?
それは、ミツエっぽい見た目だからそう呼んでるだけ。
たぶんこの婆さん、ミツエ婆さんだぞ。
と、思っただけで、そう呼んでるだけのこと。

ちなみに、クソ生意気な小6の孫娘と、
クソババアと言って雑巾投げつける鬼嫁と一緒に暮らしてる。

知らんけど。

これも俺の勝手な想像だ。

おっと、話がそれちまった。
ミツエ婆さんは俺の横をすり抜けるとき、

(ジョナサンや、着いてきな!)

という顔でこちらを振り返った。

ちな、俺はパチンコ仲間からジョナサン。と呼ばれている。
これはもちろん、やもめのジョナサンからとったものだ。

嘘だ。

俺はやもめじゃない。
そしてジョナサンとも呼ばれちゃいない。

また話がそれちまった。

ミツエ婆さんの後を追うように、
黒服のいかにもヤバそうな男たちが
3人飛び出してきた。

俺はすかさず婆さんと男たちの後を追った。
俺はこう見えても(どう見えてる?)中学の頃
駅伝の選手に選ばれたことがる。
走ることには自信がある。

だが婆さんは早い。
なかなか追いつけない。
韋駄天だ。韋駄天ターボだ。

韋駄天たーぼ、いだてんたーぼー、韋駄天ター坊・・・
と、想像して、俺は苦笑した。

キキーー!!ガシャーン

ものすごい音がした。
事故が起きたようだ。

まさか、、、婆さんが・・・

俺がそこに到着すると、
無様な姿で道路に転がるミツエ婆さんの姿があった。
追いかけていた男たちは蜘蛛の子をちらすように居なくなった。

ミツエ婆さんを轢いたDQNカーからは誰も降りて来ず、
ちょっと車をバックさせると、ミツエ婆さんを避けるように、
いや、まったく避けることもなく踏んづけて走り去った。

「おい!ちょっっ 待てよ!!」

俺は声をかけたが当然DQNは待つわけなど無かった。



おっと、そんなことより、

「婆さん!婆さん!大丈夫か!婆さん!!
 誰か!救急車を、救急車を呼んでくれ!!」


俺は叫んだ。

だが、通りを歩く人達は皆スマホに夢中で
誰一人振り向きもしない。

なんなんだ。
婆さんが車に轢かれたんだぞ!お前らそれでも人間か!?

いや、インスタ映えだ。とか言って
スマホで撮影始めるような民度の低いヤツが
俺の住む街に居なくて良かった。
そう安堵できた瞬間だった。

そうだ、人任せにしてどうする。
暗いと不平を言うよりも進んで明かりをつけましょう。

俺は近くの電話ボックスに飛び込んだ。
スマホはどうした?だって。
気が動転してたんだよ。

「もしもし!救急車ですか!?(←気が動転してたんだよ)
 婆さんが、婆さんが車に轢かれたんです!!」


ピーポーピーポー

ほどなくして救急車が到着した。

「こっちです!
 ここで婆さんが車に轢かれたんです!!」

俺は救急隊員を現場に案内した。

救急隊員はミツエ婆さんの様子を確認すると、

「あ〜、こりゃ死んでますね。
 我々の出る幕では有りません。それじゃ!」


と言って帰ってしまった。

え?そんな・・・うそでしょ・・・

救急車には死体を乗せないってのはホントだったんだな。
※事実と異なる場合があります。

勉強になるなぁ。
俺は、救急車が見えなくなるまで見送っていた。

あっ そういえばミツエ婆さんはっっ

ミツエ婆さんが横たわっていたところを見ると、
なんと、野良犬がたかり、
ミツエ婆さんの死肉を喰らっているところだった。

まさか、こんなところに野良犬がいるなんて。
いちおう俺の住んでるところは政令指定都市。
そしてE店は駅近の商店街にある店だ。

「おい!ナニやってんだよ!」

俺は野良犬を追い払った。

しかし、なんだっていうんだ、さっきからココを通る奴ら。
ミツエ婆さんの屍に野良犬が集ってるのを見ても
何もしないなんて、それでも人間か!?

いや、インスタ映えを狙って、
野良犬がミツエ婆さんの死肉を喰らうさまを
撮影するようなクズが、俺の住んでる街にいなくて良かった。

それが唯一の救いだな。

と思いながら俺は野良犬を追い払い続けた。

すると、そこに一匹の野良犬が近づいてくるのが目に入った。

その野良犬は他の野良犬よりも体格もよく、毛艶もよく、
野良犬と言うよりは狼、そうオオカミ、オオカミ王、



オオカミ王ロボと呼ぶにふさわしい風格をしていた。


そのあまりの気高さと美しさに、俺は

「ロ・・・ボ・・・」

引き寄せられるようにロボの方に歩を進めていた。




「あぶない!!」

その瞬間、俺は後ろからものすごい勢いで羽交い締めにされ
地面に投げ出された。

それと同時に俺の目の前をものすごい勢いで何かが通り過ぎた。

「バカヤロウ!死ぬ気か!」

俺を羽交い締めにした奴が、そう叫んだ。
後ろを振り返ると、
そこにいたのはなんとムツゴロウさんだった。

え?どうして、こんなところにムツゴロウさんが。

しかし、それは俺がテレビで見て知っていた
優しい顔のムツゴロウさんではなく
まさしく修羅、阿修羅の顔をしたムツゴロウさんだった。

「ジョークラッシュだ・・・」

ムツゴロウさんがポツリと呟いた。

ジョークラッシュだと???

ジョークラッシュと言えば、
秋田の駄犬を北の大横綱と呼ばれる地位まで押し上げた必殺技。
だが、その破壊力はあまりにも凄まじく、
対戦相手を再起不能にしてしまうことから
飼い主自らが封印したという伝説の必殺技。

それをロボが使ったというのかーーー!?

(説明セリフ終わり)

ロボの方を見ると、まだ俺の方をじっと見て
ウウウ、と唸り声をあげていた。

ムツゴロウさんが

「消えろ」

と呟いた。

ものすごい殺気だ。
武道経験の無い俺にでもはっきり分かるような殺気だった。

ロボは急におとなしくなり、野良犬たちの方に戻り
ミツエ婆さんの死肉を喰らい始めた。



「いやーーー危なかったですねえ。
 野生生物は餌を食べているときが一番凶暴なんですよ。」


そう言うムツゴロウさんは、
すでに俺がいつもテレビで見ていた、
優しいムツゴロウさんになっていた。

しかし、先程の殺気はいったいぜんたいなんだったんだ?

ムツゴロウ、

むつごろう、

むつ ごろう・・・

むつ・・・

!!!

陸奥吾郎!!


そういえば陸奥の名をつぐもう一人の男がいるって、
コミックス第5巻で読んだことが在る(ウソ)


ムツゴロウさん、いや、陸奥吾郎はゆっくり立ち上がると
俺に向かって

「それじゃ、私は行くところがあるのでこのへんで。
 野生動物にむやみに近づいちゃいけないよ。」


そういって、去っていった。

あんたに言われたくねーよ。
俺は心のなかで思ったが言わなかった。

ムツゴロウさん、いや、陸奥吾郎の姿が見えなくなるまで
おれはその後ろ姿を見送っていた。




あっっ そういえばミツエ婆さんはっっ

振り返ると、ロボたち野良犬の姿はなく、
すっかり肉をキレイに食い尽くされてしまった
ミツエ婆さんの髑髏がそこに転がっていた。

それはまるで、
誰かが磨いたようにピカピカのミツエ婆さんの白骨だった。

ミツエ婆さんの骨は夕日に照らされキラキラ輝いていた。

俺は、ミツエ婆さんの髑髏に近寄り
ミツエ婆さんの頭蓋骨を何のためらいもなく手にとった。

「婆さん・・・」

その瞬間、ミツエ婆さんの頭蓋骨は激しい光を放ち
粉々に砕け散った。他の骨も砕け散り跡形もなくなった。

「婆さん・・・」



ジョナサンや・・・

婆さん、ミツエ婆さんの声が聞こえた。

「婆さん!婆さん、どこだ!何処に居るんだ!?」

俺は辺りを見渡した。

「ここじゃよ。」

俺が上空を見上げると、ソコには
荷車の荷台に乗ったミツエ婆さんがいた。

よく見るとその荷車を引いてるいるのはロボたち野良犬だった。
そしてそれを操っていたのはムツゴロウさんだった。

婆さんはニコニコ笑いながらこういった。

「なにも後悔はない、楽しい人生じゃったよ。」

嘘だ!
そんなわけない!
あんたがパチンコで勝ってるの見たことねーよ!
それにクソ生意気な孫娘や、
クソババアと言って雑巾投げつける鬼嫁
と暮らしてて幸せだったわけない!!

「ははは、それも今となっては良い思い出じゃよ。」

婆さん・・・アンタってやつは・・・

「ジョナサンや、どうやらワシは天国に行けるらしい。
 こいつらがお迎えじゃ。」


そう言われて、
ムツゴロウさんとロボは怪訝な顔をしていた。

しかし!
天国への案内人がロボとムツゴロウさんなんて。

贅沢だな、婆さん。

DMC.jpg

「それじゃ、ジョナサン。
 ワシはそろそろ行かなきゃいかんらしい。」

「無駄撃ちには注意するんじゃぞ。」


アンタに言われたかねーよ!


あっ そういえば

「婆さん、なぜあの黒服に追われてたんだ?」

この結末の原因とも呼べるきっかけについて聞いてみた。

りんご〜ん、りんご〜ん
教会の鐘が鳴り響いていた。

婆さんは、年寄らしく聞こえないふりをしていた。

りんご〜ん、りんご〜ん
教会の鐘が鳴り響いていた。


ここらへんに教会なんてアリはしないんだが
りんご〜ん、りんご〜ん
なぜか教会の鐘が鳴り響いていた。

ロボたちの引く、ムツゴロウさんの操る犬ぞり?
いや、犬馬車?いやちがう、犬荷車は
ミツエ婆さんを乗せ大空を高く昇っていった。

空には満月が輝いていた。

満月の夜に昇天したい。

って婆さん、アンタ言ってたよな・・・



いや、知らん。

俺は婆さんと会話したこととか無いんだから。

りんご〜ん、りんご〜ん
なぜか教会の鐘が鳴り響いていた。

天に昇っていく婆さん達を、
俺は姿が見えなくなるまで見送っていた。

おしまい



※この話は、ウソ、でまかせ、紛らわしい表現が
満載された作り話です。


インデックス.jpg

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posted by ブラ at 19:00 | Comment(0) | いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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